2020年映画ベストテン+3
石村加奈のベスト10+3 ©2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC 1海辺の映画館ーキネマの玉手箱 2パラサイト 半地下の家族 3はちどり 4ソウルフル・ワールド 5おらおらでひとりいぐも 6国葬 7ストーリー・オブ・マイライフ・わたしの若草物語...
「あのね」でつながる物語
公式ホームページより ドラマ「anone」 坂元裕二の新作ドラマのタイトルが『anone』だと知って、真っ先に思い浮かべたのは『一年一組せんせいあのね』という本のことだった。1981年に出版されたこの本は、小学1年生の子どもたちが「あのねちょう」という名前のノートに書いた文...
2016映画ベスト10+3
2016年公開の映画ベスト10+その他印象に残った作品3本をピックアップ。 岩根彰子の10+3 © 2016「団地」製作委員会 1 『団地』 2 『シング・ストリート 未来へのうた』 3 『ディストラクション・ベイビーズ』 4 『この世界の片隅に』 5 『シン・ゴジラ』...
私的名台詞#5<br>「私はきっとろくでもない大人になる」
夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」 NHK公式ホームページより 夏休みの初日に、小学五年生のハル(豊嶋花)は、別居中の父親(妻夫木聡)に誘拐される。だらしなくて、情けなくて、お金もない父とのひと夏の旅で、少女は、それまで知らなかった父親の姿を知る。...
ひとりで踊る
土曜ドラマ「トットてれび」 NHK公式ホームページより 向田邦子が飛行機事故で逝ってしまった後、毎日入り浸っていた彼女のマンションの部屋を見上げるトットちゃん。喪服というには凝ったデザインの黒いジャケットとロングスカートに裾の長い白いブラウスを身につけた彼女は、思い出のつま...
いつかこの部屋を思い出してきっと泣いてしまう
ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」 本当は互いに思いあっているのに、精神的に危うい恋人を見捨てられないと正直に頭を下げる錬(高良健吾)と、それをきちんと受け止める音(有村架純)。そして後半では立場が逆転し、荒んでいた自分を救ってくれた音にまっすぐ思いを向け...
スズキの目
木曜時代劇「ちかえもん」 松尾スズキといえば少女Aである。 彼の初エッセイ集「大人失格」のなかに、高校生男子が口々に「少女A!」「少女A!」とわめいている姿を見かけた松尾スズキが演劇の未来を憂えるくだりがあり、読んで思わず声を出して笑ってしまった。これは陳腐な言い回しではな...
俳優 安田顕
ドラマ「ミエルヒ」 “昏い”という言葉が好きだ。 特に人物を言い表すとき、“暗い”でもなく“陰気”とも違う。日が暮れて世界が淡々と色を無くしていくときのような、そんな雰囲気を持つ人を“昏い”と呼びたい。 5年前、HTBスペシャルドラマ「ミエルヒ」を見て、まっさきに頭に浮かん...
たこ八つ〜井伏鱒二「画本 厄除け詩集」から『俳優 亀岡拓次』まで
元旦の朝、年末にSさんから贈られた、井伏鱒二の「画本 厄除け詩集」(12)を朗読した。厄除けや風邪よけのまじないとして、詩を書いたという井伏の詩は、煩わしさなどを笑い飛ばしてしまうドライさに溢れ、見開きを目一杯に使った金井田英津子の画の、濃やかで渋みのあるタッチもカッコいい...