

私的逸曲#1<br>「今夜はブギー・バッグ」
「今夜はブギー・バッグ」(1994) 作詞・作曲・編曲/小沢健二、光嶋誠、松本真介、松本洋介 映画『オオカミ少女と黒王子』より 風邪で学校を休んだ、オレ様王子こと恭也(山崎賢人)の見舞いに行ったヒロイン・エリカ(二階堂ふみ)が、ぎこちなくもかいがいしく世話を焼き、恐らくまだ...


新世界★ドローンウォーズ
舞台「来てけつかるべき新世界」 久しぶりに声をあげて大笑いした。 冒頭の「やっぱり(CD)盤がないとなぁ」でくすぐられ、串カツの二度づけ禁止に一石を投じる「うずら理論」で完全にスイッチオン。そこから繰り広げられるドローンvsおっさん、野良ロボットvsおっさん、人工知能v...

私的名台詞#5<br>「私はきっとろくでもない大人になる」
夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」 NHK公式ホームページより 夏休みの初日に、小学五年生のハル(豊嶋花)は、別居中の父親(妻夫木聡)に誘拐される。だらしなくて、情けなくて、お金もない父とのひと夏の旅で、少女は、それまで知らなかった父親の姿を知る。...


サンディエゴの青年に抱く、ふしぎな当事者感
映画『ヒップスター』 ふしぎな肌ざわりの映画だ。原題は真逆の「I AM NOT A HIPSTER 」(“HIPSTER”とは、流行に敏感な人を指すスラング)。たしかに本作の主人公、ブルック・ハイド(ドミニク・ボガート)は、流行に関心はなさそうだ。ライブシーンから始まる本作...

ひとりで踊る
土曜ドラマ「トットてれび」 NHK公式ホームページより 向田邦子が飛行機事故で逝ってしまった後、毎日入り浸っていた彼女のマンションの部屋を見上げるトットちゃん。喪服というには凝ったデザインの黒いジャケットとロングスカートに裾の長い白いブラウスを身につけた彼女は、思い出のつま...


名画をいただく<br>『バベットの晩餐会』
デジタル・リマスター版でよみがえった名画『バベットの晩餐会』が全国順次公開中だ。海辺の小さな村で慎ましく暮らす人びとの、心と体を満たすバベットのディナーは、スクリーンで観るとおいしさ&見応えが一段とUP! 貴重な機会をぜひとも味わっていただきたい。以下は、以前「午前十時の映...


私的名台詞 #4 <br>「アフリカの飢えた子供たちのことも、ごめんなさい、本当にどうでもよかった」
小説『それでも花は咲いていく』より エーデルワイス、ダリヤ、ヒヤシンス、デイジー、ミモザ、リリー、パンジー、カーネーション、サンフラワー。 9つの花の名前を冠した短編をあつめた『それでも花は咲いていく』(幻冬舎)は、芸人・前田健の処女小説だ。さまざまな種類のセクシャルマイノ...


私的名台詞#3<br>「花も実もつかないけど、なんかの役には立ってんのよ」
映画『海よりもまだ深く』 古ぼけた団地のベランダで、年老いた母・淑子(樹木希林)が、すっかり中年になった息子の良多(阿部寛)に朗らかに語りかける。昔、彼が植えた蜜柑の木に水をやりながら。夫を亡くし、住み慣れた団地で気ままに暮らす淑子が、毎日せっせと手入れを欠かさないので、木...


母の日によせて<br>映画の中の母たち
A新聞の“母の日”に寄せた紙面で、母と娘で一緒に観たい映画についてのインタビューを受けた(5月8日掲載予定)。改めて母娘をテーマにした映画を整理してみると、古今東西、娘にとって、母とは巨大な壁であると思い至った。今回はB面のノリで、ひとりで噛みしめたい(!?)母娘映画を紹介...


私的名台詞#2<br>「なんだかんだ言ってお前が正しいよ」
映画『モヒカン故郷に帰る』より 緑のモヒカン頭の売れないバンドマン、主人公・永吉(松田龍平)が、妊娠した恋人の由佳(前田敦子)を連れて、7年ぶりに帰郷すると、父親(柄本明)の末期ガンが発覚。パクチー栽培で妻子を養おうかとうそぶく、30歳過ぎの愚息は、図らずも頑固親父の死と向...